一、炭置き仕廻い、薫物をくべ、香合の蓋をする。此の時、正客より香合を所望して、主、出だしたらば請い取りて、脇に置く。爰にて、正客より客中へ、先ず御炭拝見致すべしの由、挨拶ありて一同に炉辺に寄りて見物すべし。天気の寒暖、釜の大小、下火の多少にて、炭置きよう亭主功者の入る事なり。よくよく気を付けて見、客中より主へ挨拶すべし。扨て、本の座へ着して、香合を正客より見て、廻すなり。末座の終りて、正客へ遣わす。正客、又、見て亭主の手明きたる時分に、主の出したる所へ戻し置くべし。
亭主が炭を置き、香をくべ終えて香合の蓋をしたら正客は香合の拝見を所望する。
そして所望した香合を請け取り、脇に置き、再度、客一同炉辺に寄って炭の置き様を拝見するという。
前述したように亭主が炭を置く際は、一同に寄ると亭主が置きにくいので、客は一人ずつ出て炭の置き様を拝見する。
炭を置き終えたらそのいといがないので、一同に寄って物見するという。
上記文言のように、炭の置き様は功者の入る事なので念入りに拝見する。
流祖の頃の稽古は茶事そのものが稽古であったから行く先々で様々な炭の置き様を見る機会があったと思う。
流祖は宗旦居士のお供で数多くの茶事に招かれていたから、その善し悪しについて居士から色々と教えを受けていたに違いない。
巧者と云われる人の炭を多く見てみたいものである。
