一、狭き所なれば、二人立つ事あしく、但し、座する所、一間ならば、正客、床際へ詰めて居て宜し。四畳半、三畳敷、其の外広座敷にて、一間半もあらば、上座をあけて下座の方に、三人共寄りて着座。二客、一客、猶更此の心得第一なり。三人共に、ならび居るべし。曲尺の手に居るはあしし。形も畳の目なりに、膝のゆがまざるように直る。一畳半などにては、尚更の事なり。惣じて点茶畳に、膝のかからざるように、後の方壁に寄り付き、着座すべし。道具畳をふむべからず。茶式法礼を約めたるものなれば、よくよく不礼なきように、考うべき事第一なり。
当流では、三畳敷(二畳半も含む?)以上の茶室で座る所が一間半もあれば、上座(床際)を空けて座る。それ未満で客が三人、座する所が一間(六尺)しかない場合は、床際に詰めて座るという。
但し、三畳敷未満でも客一人、又は二人ならば床際を空けて座る。詳しくは陸安集の花巻を参照して戴きたい。
大寄せが多い現在ではあまり用いられなくなったが、これを唱える先生を時々見受ける事がある。大寄せでは、一人でも多くの客を茶室に入れなければならないので仕方がないと思う。
また、上記文言の「形も畳の目なりに、膝のゆがまざるように直る」は、宗匠が良く言われる所である。
前回同様「第三 廬地入の事 便蒙二 三左」に、これに関連した流祖の逸話が載せられているので以下に掲載する。
一、座敷・長石・踏段の時は、脱ぎ捨てにしてよろし。さりながら、乱にすべからず。ならびよくすべし。草履抜ぎよう、まがりたる故、今日の茶の湯客ぶりも出来まじとて、宗徧、宗伯を叱られしとなり。座敷へ並び居る事も、此の心得たるべし。
炭の置きようも「大炭は直に置きたるがよし。ゆがむは悪ししと徧老言われしなり。」とあるように曲がった事が嫌いな流祖の人柄が見えてくるようである。
