第二十 薄茶の事  便蒙一 二十八左 その二

一、薄茶点つる習いの心得あり。濃茶は、さむる事をいといて、さらさらと点つるなり。薄茶は、其のいといなければ、静に爰にて茶を点つる点前の心持ちを、真にいたすべし。惣じて、薄茶の点て様、一通り手熟すれば、万事の手前なりよき物なり。此の故に、宗易も薄茶点つる一通り、大事に心得よとしめしたるなり。此の箇所、当流の至極なり。平日、薄茶を稽古と心得、手前心を付くべし。故に当流にては、盆点、台天目をゆるしたる者にても、手前の稽古は、薄茶にてするなり。諸芸ともに云う如く、常を晴れ、晴れを常と心得、常平日心がけたる時は、諸事手前共に、よく出来るなり。此の事、祖翁示したるなり。

お茶の稽古といえば、最初は盆略点前から始まって薄茶平点前を学ぶ。一度、真台子まで伝授を受けたらまた平点前に戻り、一から学び直す事は良く云われるところであるが、実際に平点前に戻ってみると明らかに学び始めた頃のものとは異なる。
簡単かと思いきや道具の持ち方や置き方、間の取り方など師から改めて教授を受ける事が多く、奥深さを実感すると共に、自分が未熟であった頃の師匠の心の広さに頭が下がる思いがした。

薄茶を点てる事が大事という利休さんからの伝統とともに、流祖の常を晴れ、晴れを常という常日頃の心構えを以って茶の稽古が出来るのは何よりも幸せの事である。

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